No Time To Sleep

ソフトウェアエンジニアがポエムを書いたり書評を書いたり試したことを書いたり。

生まれ変わってももう一度読んで人生に活かす本6選

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コロナが世界を席巻するこの春、社会人生活5周年というちょっとした節目を迎えました。 新卒で入社した頃から今までを振り返ってみると、書籍からの学習とその実践という当たり前なプロセスを続けてきたのが大切だったなと実感します。

これまでに色々なジャンルの色々な本を読んできましたが、その中でも特に人生に影響を与えたなというものを選んでみました。 普段はソフトウェア開発をしていますが、それに関する書籍は除いてそこそこ一般的に役立ちそうなものに絞っています。

新卒の子が私の部署に配属されるのでまとめていた内容を、せっかくなのでブログで公開してみます。

人を動かす

何度読み返したかわからないほどにこの本は繰り返し読んできました。 その度に学びがあり、次に実践したいことが浮かび、そして自分の振る舞いを改善してこられました。

中でも「誤りを指摘しない」という原則の実践が特に難しかったのを覚えています。 自分が詳しい分野だと、理解が不十分だったり間違っていたりすると指摘したくなってしまいますよね...。

7つの習慣

この本も、お正月やお盆などのまとまった休みのときに読み返してきた愛読書です。 名著というかベタな本が続きますね。

「関心の輪・影響の輪」の話が特に印象的でした。 ある意味自分の人生に諦めがつくというか、自分が注力する、譲らないことが明確になったというか。 次の『フィッシュ!』とも若干被りますが、自分にはどうしようもならないことは目標に設定しない大切さを学びました。

フィッシュ! 鮮度100%ぴちぴちオフィスのつくり方

シアトルのパイク・プレイス市場で働く魚屋さんたちの行動から、オフィスを活性化させるための秘訣を学ぶという実話を元にした書籍です。 4つの秘訣が紹介されますが、その中でも「態度を選ぶ」という内容が特に刺さりました。

仕事に限らずですが、自分を取り巻く環境が自分の望み通りになっていることの方が少ないです。 そういうときにどういう態度を取るかは自分の責任であり、自分が周囲に与えたい影響から逆算した行動を取ることができます。

(こう表すとちょっと過激な感じもしますが)「困難にこそ感謝する」というマインドを得られた書籍でした。

ゴールドスタンダード

リッツ・カールトンが企業理念として掲げる「ゴールドスタンダード」を題材に、どうしたら「ミスティーク」と呼ばれるの至高の顧客体験を与えられるのかを解説した書籍です。

リッツ・カールトンには残念ながら行ったことがないので実際のことはわかりませんが、本には「そこまでやるのか」と思わされるほどの徹底したサービスが描かれています。 それを構築する仕組みや制度の紹介もされていますが、それよりも何より従業員の皆さんの心持ちこそ学ぶべき内容でした。

私は普段ソフトウェア開発をするので、書籍で描かれていたような体験を提供する機会には出会いません。 ただ違った形で、自分が普段している仕事を通してでも「ワオ!」と顧客に思わせるような工夫やクオリティーを提供する心意気を大切にしています。 そんなことを学べた本でした。

小説 上杉鷹山

上杉鷹山とは米沢藩の藩主であり、致命的な財政難に陥っていた米沢藩を「藩民への愛」を基本にした改革で復活させました。 この本は、そんな鷹山の改革ぶりを描いた歴史小説です。

封建主義が当然のものだった当時「藩民は藩主(ないしは家臣)へ奉仕するもの」と考えられており、財政改革とはすなわち庶民への重税を意味しました。 そんな中鷹山は徹底して藩民を潤すことを考え、様々な策を自分が先頭を切って実践し、少しずつ信頼を勝ち取っていきます。

私が財政難に陥っているわけでも何でもないのですが、「自分が貢献する対象は誰なのか」「自分は誰によって生かされているのか」といったことを考えさせられる書籍でした。 そして、自分を支えてくれている相手へは鷹山のように余りある愛で貢献をしよう、というのが普段の仕事のモチベーションの基本になっています。

メンバーの才能を開花させる技法

どういう人と一緒にいると生産性が高まるのか、逆にどういう人がいると本来の力が発揮できなくなるのか。 「あなたと一緒に仕事をすると、なぜだか自分の力が 120% 発揮される!」と思われるような同僚でありたいと思っていますが、そのためのヒントが得られた気がします。

自分がいわゆるマネージャーになるのはまだまだ先かもしれませんが、それでもこれはとても参考になった書籍でした。 逆にいえばどんな上司の元で仕事をすると自分の力が最大限発揮できるのか、という想像もできる内容です。

おわりに

こういう書籍は読むだけでなくて、過去の体験を振り返る材料にしたり、今後の行動計画を立てて試してみたりすることが大切です。 幸いそういうことをする習慣を社会人生活の最初に身につけられたことで、自己改善をし続けることができました。

ここであげたどの書籍も、人生のバイブルとして今後も何度も読み返すことになりそうです。 ただ人生の早い段階で読んで実践してきたことで、得られたものがとても大きかったなと想像しています。

「誰かの役に立って欲しい...!」とは恐れ多くて思っていませんが、明日から配属される後輩くんが何かを考える材料にしてくれると嬉しいですね。